米国司法局が米Googleを提訴 事実上GAFA4社の解体を見据える
先日10月20日、米国司法省が米Googleを独占禁止法違反の疑いで連邦地裁へ提訴しました。
10月6日には、下院司法委員会の反トラスト小委員会は、GAFAと呼ばれるAmazon、Apple、Google、Facebookに関する調査結果を発表し、「特定の支配的なプラットフォーム」の解体を目指し、議会が積極的な行動をとるよう勧告しました。これは、事実上GAFA4社を指した表現でしょう。
反トラスト小委員会は、大企業に対して厳しい姿勢で臨む民主党が主導で構成しており、バイデン候補もこれを支持しているため、彼が大統領選挙に勝利した場合、GAFA分割に向けた更なる動きが出てくるかもしれません。
市場を独占する特定の大企業により、イノベーションが滞り、消費者選択の幅が狭まったというのが反トラスト小委員会の主張であるようです。
これに対しAmazonは、
"アマゾンでは、外部の企業が彼らの製品をアマゾンの自社ブランド製品の横に並べて販売する機会が与えられており、これは競争を促進するもので、消費者の利益となる。さらに、当社はマーケットプレイスモデルによって、サードパーティに利益を与えている。"
(引用元
米議会「GAFA解体案」に対するアマゾンとフェイスブックの反論 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン))
と述べ、反論しています。
GAFA4社の時価総額は、今のアメリカ市場において、かなり大きな割合を占めています。GAFAにMicrosoftを入れたGAFAMで考えると、S&P500種の約22%にも上ります。
Microsoftは1998年に、米司法省に訴訟され、長期間に及ぶ法廷闘争の結果、スマートフォン市場への参入に乗り遅れました。GAFA4社が訴訟され、解体されればもちろんアメリカ市場に大きな影響を及ぼしますし、仮に勝訴したとしても、法廷闘争に長びけば、Microsoftのように次の新たな市場への参入に乗り遅れかねません。
アメリカ市場の自由な競争が保たれ、アメリカ経済が発展し続けることが一番ですが、現在のアメリカ経済市場に大きな影響、引いては打撃をも与え兼ねない今回の訴訟、引き続き注視していきたいと思います。